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DAC-LFM-3 は超低周波電源内蔵のタンデルタ・静電容量測定器です。
0.1Hz または 0.01Hz の超低周波電源を用いており、電力用ケーブルなどの静電容量が大きな試料のtanδと静電容量を正確に測定することができます。
正確な水分量管理による OFケーブル・MIケーブルの品質向上、破断した光ファイバー海底ケーブルの故障点評定、商用周波数用電力ケーブルの絶縁診断を低コストで実現いたします。
OFケーブル、MIケーブルの乾燥工程管理
光ファイバー海底ケーブルの故障点標定
商用周波数用電力ケーブルの絶縁診断
OFケーブルやMIケーブルは直流海底送電用ケーブルとして製造されております。これらのケーブルには絶縁油や樹脂が含浸されておりますが、含浸する前の絶縁材料中に残る水分はケーブルの品質に大きく影響するので、水分量を管理することは製造行程上非常に重要です。
過去においては経験的に管理されておりましたが、本装置を使用するとOFケーブルの乾燥プロセスを数値で正確に把握することができます。 一般的に絶縁油を含浸する前のOFケーブルが水分を含んでいるとタンデルタ値は大きくなり、乾燥が進むにつれて小さくなって行きます。またタンデルタ値は周波数を低くすると顕著になりますので、超低周波で測定したタンデルタ値は、水分量検出の指標とすることができます。このようにタンデルタ値を管理することで定量的に水分量を把握することができるので、前工程を的確に終了させてから次の行程に進むことができ、生産効率を著しく向上させることができます。
本装置はOFケーブルやMIケーブルなどの製造行程の省力化や品質向上に大いに貢献します。
光ファイバー海底ケーブルは中継器のための電力を送電する役目も担っております。ケーブルが損傷(破断)した時、故障点を標定するために静電容量測定は重要な測定項目です。
光ファイバー海底ケーブルは長距離であるため静電容量が非常に大きく、ケーブル導体抵抗(直列抵抗)やケーブル絶縁材料の漏れ抵抗(並列抵抗)が測定に影響を与え静電容量やタンデルタを正確に測定することは困難です。DAC-LFM-3はこのような条件下でも例えば0.01Hz仕様では5000μFまでの静電容量測定が可能です。直列抵抗や並列抵抗の影響を受けないので高精度な静電容量測定が可能で、破断した海底ケーブルなどの精密な故障点標定に役に立ちます。
商用周波数による電力用ケーブルの測定は電源設備が巨大になり、膨大な設備コストと運用リスクを伴い、現場での測定は困難を極めます。DAC-LFM-3は超低周波で測定しますので電源設備コストは商用周波数の数千分の1で済みます。
電力用ケーブルの絶縁劣化に伴う異常は、ケーブルの静電容量に対する並列抵抗の微少な変化となって現れますが、通常の絶縁耐圧試験では並列抵抗による漏れ電流とケーブルの充電電流を合わせた電流を測定することになり検出感度は著しく劣ります。
ケーブルの絶縁診断は並列抵抗による漏洩電流や絶縁材料中の欠陥による損失電流を正確に測定しなければなりません。
DAC-LFM-3はこの漏洩電流や損失電流を充電電流に対する比(タンデルタ値)で表します。
この値はケーブルの静電容量の大きさとは無関係に絶縁劣化の状態を示す指標として用いることができます。
しかも超低周波で測定するタンデルタ値は顕著であり、微少な絶縁状態の変化もとらえることができます。
下記技術解説も合わせてご参照ください。